お取引先インタビュー
2026.02.20
JR日暮里駅東口から徒歩約3分。初めて訪れる方でも迷いにくい、分かりやすいアクセスも魅力のひとつです。 創業200余年、江戸の風味と面影を受け継ぐ古風な団子を今に伝えています。駅近とは思えないほど静かな空気が流れ、 歴史を感じさせる佇まいが印象的です。散策の途中に立ち寄るのにもぴったりの立地です。 当時は街道沿いの茶屋として親しまれ、団子を肴に日本酒を楽しむ人々の姿も見られました。 現在も日本酒が用意されており、フルーティーで飲みやすい味わいは団子との相性も良く、つい杯が進みます。
店名の由来は何ですか?
昔はこのあたりの地名にちなんで“芋坂の団子”と呼ばれていたそうです。子規さんや漱石さんも、書籍の中でそのように書いてくださっています。 ただ、正確にいつから“羽二重団子”という名前になったのかは、実はよく分かっていないんです。 昔、お団子を召し上がったお客様が“きめが細かいので、それなら羽二重団子にしたらどうですか”とおっしゃったことがきっかけだと伝わっています。 それならその名でやっていこう、ということになったそうです。


お店のこだわりやコンセプトを教えて下さい!
団子は中国から伝わってきた当時、神物として『団喜』とも呼ばれ、お供えものとして作られていました。 ただ、庶民が口に入れるものにするならば形を変えようと、初代の時より団子を平らにされたんだそうです。 平らにすることで芯まで火が通りやすく、日本全国を見ても丸い団子がほとんどで、平たい団子はうちだけかもしれません。 昔は『よそが300回搗くなら、うちは600回搗け』と先祖から教えられてきました。 でも、今ではもっと時間をかけて、1000回以上搗いているんですよ。餅ほど伸びませんが、よく搗いた生地は団子でも歯切れがよく、おいしさが違います。 焼き用の生地はしっかりめに、餡用は柔らかめに、と水加減も2種類で調整して作っています。昔からの手間を惜しまない技を、今も大切に守っているんです。
生産者さんへのメッセージをお願いいたします。
以前は自分達で米粉をひいて団子を作っておりましたが、今は産地で丁寧に仕上げられた米粉を使っております。使ってみると、水分の調整がしっかりされていて、新米と古米の差があまり出ないようになっているのでとても助かっています。 水加減は本当に難しいので、常に調整しながら作っています。山形県庄内産の米粉は水分の含み具合が優れており毎日の団子作りにも活かされます。 戦後のある時期(まだ銘柄米を指定できる時代ではありませんでしたが)に山形県庄内の米が届いて使ってみたところ、品質が非常に良かったと伝えられています。 それ以来、団子に使う米は山形から取り寄せており、現在も安定した品質の団子づくりに大いに役立っています。米は日本人の原点でもありますし、これから変わらず作り続けていただきたいです。
取材後の感想
店内で団子を口にすると、昔の文人たちが焼き団子を肴に酒を酌み交わしていた姿や、そのときの心情まで自然と思い浮かび、 時代を超えた情景に思いを馳せることができます。多くの文学作品にも登場してきた背景を思うとその味わいはさらに深く感じられます。 初めて食べてみて感じたのは、その食感の良さでした。もっちりとしていながらなめらかで、歯切れもよく、ひと口ごとに丁寧な仕事が伝わってきます。 長く愛されてきた理由が分かる味わいに、素直に感動しました。 店主は7代目。現場のことをまるっきり知らないのは嫌だと考え、職人たちと現場感覚を共有できるようボイラーに火をつけるところから自ら手を動かし、早朝から現場に立っているといいます。 さらに新商品の開発にも力を入れているそうで、伝統を守りながらも挑戦を続ける姿勢が印象的でした。
